月一で通っている治療を終え、コロナ自粛後久しぶりに外食をして家路へと地下鉄に乗った。途中の駅で中年の男性が2人乗ってきた。その中年男性がチラチラとこちらを見ている。そんなことは日常茶飯事。特別なことではない。
黄色と黒のツートン車椅子が目立つのは知ってる。目立つようにしたのも自分で意図したことだ。でもこの時は違った。「あー!何やってるの?」と結構なサウンド。一瞬何が起こったか分からず、暇つぶしで見ていたスマホから声が聞こえるほうへ顔を向けた。
顔見知りの地下鉄の男性駅員だった。話によれば、コロナ自粛が解除になって少し羽を伸ばしていたのだと言う。2人とも結構出来上がっており少し千鳥足に見えた。
酔っ払っているのか。突然「僕は君を愛してる」と「君はみんなに愛されてる」「駅の事務所でに気軽にコーヒでも飲みにおいで、君のこと愛してるから」と・・・
駅員男性から発せられる言葉の語尾に愛してるが止まらなかった。
中年男性2人に囲まれ端から見れば車椅子が絡まれてるようなそんなシチュエーションにも映る。その駅員は3駅先で降りて行った。約10分の時間ではあったが、今までの人生で、中年男性2人に「地下鉄で愛を叫ばれる」ことはなかった。
少し戸惑いながらも酔っているとはいえ、愛されてるなあと・・・いいことがある予兆かも知れないなと思いながら家路についた。